ビール好きがテンションの上がる言葉、それは「クラフトビール」。旅先なんかでふらっと入ったお店でこのワードを見つけたら注文してしまう人も多いのではないでしょうか。
どうも!三度の飯より酒が好き!たっつーです!!
しかし、「クラフトビール」が何かを知らずに勝手に心ときめいて注文している人は多いはず。私はそうです。つまり、クラフトビールの真価に気づかず、ただアルコールを摂取しているだけになってしまっているのかもしれません…。
そんな事態はもったいない!だって、クラフトビール、普通のビールより高い場合がほとんどですからね。ってことでクラフトビールについてまとめました。
「クラフトビール」の語源
まずはクラフトビールの語源から辿っていきましょう。「クラフト」とは英語で「craft」。日本語に訳すと「技能」「技巧」「技術」「手工業」といった意味合いがあります。
つまり、クラフトビールとは直訳すると「手作りビール」的な意味合いになり、大手メーカー(アサヒとかキリン)の大規模な工場で製造されるビールに対して、小規模な醸造所などで職人さんが造っているビールとして用いられることが多いです。
クラフトビール誕生の歴史
では大昔からクラフトビールという概念(言葉)が浸透していたかというと、そんなことはありませんでした。1990年代頃からクラフトビールを醸造するような小規模醸造所が誕生したと言われます。なぜこのタイミングだったかというと、お酒を製造するための法律が関係してきます。
そもそも、ビールを製造しようと思った場合、必要な許可は主に2つあります。製造場所の設備等の衛生面などを保証するための食品衛生法に基づく許可と、酒類の税金を定義するための酒税法に基づく許可(免許)です。
このうち、後者の「酒税法」が1994年に改正したことによってクラフトビールが浸透するようになりました。その改正内容とは、製造免許を受けるための要件の一つである「一つの製造場の製造数量」です。
ビールの場合、改正前は年間2000キロリットルの製造をしなければこの要件を満たせなかったのに対し、改正によって年間60キロリットルの製造でこの要件を満たせるようになり、基準が大幅に引き下げられたのです。
大規模な工場を有するメーカーでなければ製造免許を受けるのが難しかったのが、改正によって小規模の醸造所であっても製造免許を受けることができるようになりました。こうして、これまで参入が難しかった事業者がビールメーカーとしてビールを製造するようになり、いわゆる「クラフトビール」が誕生していったのです。
クラフトビールと地ビールの違いは?
では、酒税法改正当初からこの「クラフトビール」という呼称が使用されていたかというと、そうではなかったようです。小規模醸造所誕生当初は「地ビール」の呼称で全国各地で製造が広まっていったとされており、「その地域に根差したビール」「その土地でなければ飲めないビール」という意味合い、ひいては土地限定的な価値訴求を意識した呼称であったと考えられます。
その後、ネットショッピングの普及によって地域のビールが全国どこでも楽しめるようになると共に、「職人がこだわりをもって作っているビール」「大量製造とは一味違うプレミアなビール」という意味を込めて「クラフトビール」という呼称を用いる製造者が増えていった模様。
また、2017年の酒税法改正により、酒税法上の分類「ビール」の原料として、新たに「果実」や「コリアンダー等の香味料」が使用できるようになりました(改正以前はそのような原料を使用した場合、酒税法上の分類は発泡酒でした)。これを契機として、こうした原料を使用した場合も正式に「ビール」を名乗れるようになり、各製造者はより創意工夫を凝らし、クラフトビールが発展していったと思います。
なお、クラフトビールや地ビールといった呼称は法律(酒税法)で定義づけられている言葉ではないため、どちらを使用するかは製造者の好みということになります。よって現在では、事業者の規模の大小を問わず、例えばキリンやサントリーといった大手メーカーもクラフトビールブランドを立ち上げ、製造販売を行っています。
よって、スーパーやお店なんかで「クラフトビール」の文言を見つけた際には、一般的に広く流通しているアサヒとか黒ラベルとは一味違った、独自の味わいと個性を持ったビールという解釈で購入したり注文するとよいでしょう。
クラフトビールの種類
ここまででわかったように、クラフトビールには「小規模な醸造所でこだわりをもって作られるビール」という一般的に浸透した意味はあるものの、最終的には作ったビールを「クラフトビール」とコそうするかどうかは製造者に委ねられる的な一面がありますので、クラフトビール独自の分類(種類)が存在しているわけではなく、あくまで一般的なビールの分類である「ビアスタイル」に沿って種類分けがされています。
ビールはその醸造方法から「ラガー」と「エール」に大別されます。そしてそこからビールの種類として「ビアスタイル」に分類されていくわけですが、クラフトビールもそれは同じってことですね。
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