19歳から20歳、29歳から30歳。普段と変わらずただ1歳年を重ねるだけだというのに、年代が変わるというのはなぜか少し身構えてしまうものです。
どうも!無趣味社会人ことたっつーです!!
そんな私も築けば29歳と365日目(今年はうるう年のため)。例年誕生日といっても別にこれといった感慨もなく「また1つ年を取ってしまったのか…」くらいの心持でしたが、やはり30代に突入するのはこれまでとは心持ちがすこし違います。
世の中の人はどんな風に30代を迎えるのだろう。そんな疑問がふと沸いて調べたら「旦那と友達と寿司を食べていた」とか「子供を育てていてそんなこと気にしていなかった」とか。皆さん充実したエピソードをお持ちのようで羨ましい。
ということで、ここは1つ一石を投じる的な心意気で、無趣味独身社会人が過ごしたリアルな20代最後の日の記録を残しておこうと思います。
20代最後の起床
20代最後の朝。いつもの休日と同じ10時に起きました。昨日はチューハイ5本も飲んじゃったからちょっぴり具合が悪い。いつもと変わらない休日。さて、朝ごはんを作りましょう。
朝ごはんはパンとハムエッグ、作り置きの残りできのこサラダとコーンスープ。昔に比べてちゃんと朝ごはんを食べるようになった。お酒を飲みすぎた次の朝って、何かを胃に入れたくなるんだな。社会人なりたての頃はロールパンを2つだけかじって朝ごはんを済ませていました。朝に調理をするなんて考えられなかったし、余計な洗い物を増やすなんて論外だった。今ではこのくらいの朝食なら10分もあれば作れるくらいになったし、一番嫌いだった洗い物は嫌いではなくなりました。これが成長ってやつか。
そんなことを思い出しながら、朝食を済ませ、食器を洗って布団のシーツの洗濯をした。家事をして午前中が終わっていく、いつもと変わらない休日。
洗濯物を干し終わったところで、ちょっと眠くなった。いつもこの時間、やけに眠くなるんだよな。アラームを15分後にかけて狭いソファに横たわる。そうこうしていたらもう13時。
楽器の練習
昼寝をしたらすっきりしたので、2年ほど前から練習を始めたバンジョーと言う楽器の練習をします。と言っても、休日の度に10分ほどジャラジャラと慣らすだけの極めて短時間の練習。
今主に練習しているのは、トイストーリーの「君はともだち」。バンジョーってアメリカの民族楽器なんだけど、正直君はともだちを演奏するような楽器ではない。でもそれでいいんです。別に誰かに聞かせるためじゃなくて自己満の演奏ができればそれでいいんだから。
練習をサボると感覚がどんどん薄れていくので、小刻みでも定期的に触ることが大事、のような気がする。
ミントの手入れ
ベランダで栽培しているミントの手入れをしました。実は夏の間に虫が湧いたので、半月ほど前に全部剪定したが、その後順調に成長して収穫できるくらいになった。噂には聞いていたがミントは生育力が半端ない。
手入れといっても枯れ葉とか生育の悪い部分を摘んで、病害虫予防スプレーを撒くだけなのでこれも10分くらいで終わる。でもこの作業をサボるとあっという間に虫が湧いて生育が悪くなるから、こまめに触ることが大事、のような気がする。
収穫したミントを使って、久々にミントティーでも飲んでみることにする。オーデコロンミントとライムミントとイングリッシュミントをコップに入れてお湯を注ぐだけ。香りは微妙だけど味はまぁまぁ。
そして新宿へ
一通りの休日ルーティンをこなして、実は今日はビッグイベントがあるので出かけるために支度をする。とあるグループのライブに行くのだ。そしてそそくさと着替えを済まして、Zepp新宿に向かう。もちろん誰かと一緒ではなくソロ参加。
久々に新宿に来たけど、本当に人が多い。そして何より汚い。新宿ってこんなに汚かったっけ?Zepp新宿がある歌舞伎町周辺はほんとにひどい。自分の中で、都内の汚い街ワーストは今まで渋谷だったけど、今日新宿が逆転した。
そしてZepp新宿のある東急歌舞伎町タワーの横で整理番号待ち。整理番号は収容人数1500人に対して800番台後半という微妙な番号だったけど、そこそこ見やすい位置を確保できて満足。
本日来たのは清竜人25というアイドルグループ。10年前に清竜人というアーティストプロデュースで発足したグループで、3年ほどの活動で解散してしまったのだけど今年また再結成をした。一夫多妻制がコンセプトという中々攻めたグループだが、何よりも清竜人の作る楽曲が最高なのだ。
ちょうど自分が20歳になりたての頃にデビューしたグループで、結成当初からずっと追っていたグループだった。解散発表があったライブの後はバスで泣きながら帰ったなぁ。間違いなく自分が人生で最もハマったグループで、そんな大好きなグループのライブで20代を締め括れるのはラッキーだ。
もちろんライブは最高だった。当時1番好きだった曲もやってくれて感無量。ライブが終わり、ほかほかした気持ちで足早に今日自分の中で1番汚い街に昇格した新宿を後にする。
夕飯はケンタッキー
夕飯はケンタッキーにした。嫌なことがあった時やストレスが溜まった時はホラー映画を観ながらケンタッキーを食べる、というストレス解消法が自分の中でブームになっているのだけど、ストレス社会なのでなんやかんや週1くらいでケンタッキーを食べている。おかげでケンタッキーの会員制度であるチキンマイルでは最上位クラスのプラチナ会員だ。
いつもケンタッキーでは食べ比べパックとかとくとくパックとか肉がたくさん入ってるやつを買う。もちろん1食では食べきれないのだけど、それがいいのだ。食べきれないほどのチキンを目の前に映画を観る時間は幸せ以外の何物でもない。
そして、20代最後の夜に見る作品はあらかじめ決めていた。ハートストッパーというNetflixで配信されている海外ドラマだ。
年齢を重ねるという恐怖
話は私の20代前半の頃に戻ってしまうのだけど、なぜハートストッパーを20代最後に見ることにしたのか説明するために必要なので書いておきたい。
新卒で入社した会社で唯一気の合う先輩が、「20代後半はずっと焦って苦しくて辛かったけど、30代になってから気が楽になった」と言っていたことを今でも思い出す。その意味が今ならよくわかる。20代前半の頃は、30歳が何かのリミットのような気がしていた。だから30歳になるのが怖かった。
30歳までに、仕事もプライベートも充実させて、何か確実なものを手に入れていなければならないと思っていた。実際、会社では「30までにつぶしの効くスキルを身につけておけ」と言われたし、転職エージェントに登録すれば「30代になるとキャリアチェンジが難しくなるので、どんなキャリアを歩むのか早いうちにしっかり目標を持つことが大事」なんて言われた。30歳が近づけば「結婚は?」と聞かれることは圧倒的に増えるし、同年代は結婚・出産ラッシュを迎える。
20代は、みんな同じような位置にいた学生生活から一変して、それぞれのペースで人生が進みだす。だから、大企業に入って昇進することとか、起業してチャレンジングな人生を送ることとか、結婚して家を買って安定的な人生を送ることとか。そうやって、みんなが他人よりも優れた「何か」を手に入れようとする暗黙的な競争時期なのだと思う。
そして、誰かよりも優位に立っていたいという傲慢が、「30歳までにこうあるべき」という理想像へとすり替わっていき、世の中に「当たり前」というおかしな固定観念を創り出されていったんだと思う。
私もその固定観念には強く囚われていた。そういう当たり前は、時に自分を安心させ、時に自分を不安にさせた。20代前半の頃は周囲の同年代とつまらないことで比較して一喜一憂したり、同年代が結婚したり出産したりしていくのを見ると自分だけ取り残された気持ちになった。
私は人付き合いが苦手だ。いわゆる「普通の20代」が持っているパートナーや恋人や友人は私にはいない。仕事も続かないから何のスキルも身につかないし、転職を繰り返すから年収も上がらないし。誰かに話したり共有できるような趣味もない。歳を重ねるにつれ、くだらないことで劣等感を抱くことも増えていった。
そんな時に出会ったドラマがハートストッパーだった。海外ドラマなんて普段ほとんど観ない私が、なんてことないきっかけで暇つぶし程度に見始めたのだったけど、自分が今までに触れた何よりも好きな作品になった。出演しているキットコナーという俳優の大ファンになり、彼のインタビュー動画や記事を理解するために英語を勉強しはじめたりした。
毎日ハートストッパーを見た。大袈裟じゃなく、何度も何度も繰り返し観て、セリフや音楽やシーンも全部覚えるくらい見た。正直自分でも異常だと思うけど、それくらい夢中になれた作品だ。
そして、そうやって何かに夢中になると、いつのまにか周囲と比較することや、劣等感を抱くことはなくなっていた。誰かの人生と自分の人生を比べることなんて無意味だ。自分の人生は、他の誰でもない自分のためにある。自分のペースで自分なりの幸せを見つけていけばいいし、誰かに認められることは大事なことじゃない。
そうやって自分なりに色々なことに取り組むようになった。物事に正解なんてない。何かを始めることに遅いなんてことはないし、20代でできなかったことは30代になって始めればいい。すこしずつやってみたいことや取り組んでいきたいことが増えていくと、30歳になることへの焦りと恐怖はいつしか消えていて、今はそれが怖くなくなった。
そんな風に、自分の20代を、30代に繋げてくれた作品がハートストッパーだ。だから、20代最後の瞬間もこの作品で終わらせたかった。
でも、ここで伝えたいのは、ハートストッパーがいかに素晴らしい作品か、ということではない。私にとってそう思うきっかけがこの作品だっただけで、誰にとってもそのきっかけは違うんだと思う。
明日は有給
そして明日は月曜日だけど、有給を取ったので休みだ。もちろん何か予定があるわけではない。ただ30代になった初日に会社に出社するのが単純に嫌だった。
あと10分もすれば私は30歳になる。でも特に変わったことはなくて、来週の天気はどうだろうとか、来週のお弁当は何にしようとか、明日の夜は何の映画を観ようとか、そんな日常のことを考えている。だけど普段の週末とはちょっぴり違うふわっとした気持ちがあるのも確かだ。明日は頑張って8時には起きて、朝日を浴びて二度寝しよう。
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